一枚の扉を閉めようとした。力いっぱい押しても閉まらない。ふと扉の向こうを覗きこんでみた。そこには同じように押している自分がいた。そいつが言う。一度閉めたら二度と開けることはできないぞと。憐れみの笑いを浮かべながら。同じ顔をしたヤツに笑われることほど腹の立つことはない。意地になってさらに力をこめる。またそいつが言う。お前は俺にはかなわない。なぜなら俺はお前なのだからだと。ひきつった笑いを浮かべながら。今度はそいつが哀れに見えた。しかし笑い返してやることはできなかった。目にしみる汗を拭い、さらに力をこめる。全身の筋肉が悲鳴をあげ、痛みが脳天を貫く…カフェインが足りないようだ。エスプレッソをもう一杯注文しよう。Dにて。
コメント
エスプレッソを「W」(tripleは多い)にして、無駄な抵抗はやめましょう。
自然に扉は閉まるかも・・・・・